危機管理(その1) カップラーメン

防災
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 災害時など身体が危険に陥るような場合に役立つような話題で、危機管理を身近に感じてもらい、いつか危機に陥った時に、無意識に被害を最小限にして、リカバリー(復旧・現状復帰)できる思考や、身構えを、感じ取ってもらえたらと思います。

はじめに

 まずは、危機管理を身近に感じていただくために、『危機管理とカップラーメン』です。

 危機管理には、「これをやったら大丈夫」なんて王道はないと思いますので、考え方やテクニックの参考になる著書や事象なども紹介しながら、身近に感じていただけたらと思います。

危機管理の第一人者 佐々淳行 氏 

 私にとって、危機管理と言えば、故 佐々 淳行 氏です。日本の危機管理の先駆け、第一人者でした。警察官僚として、あさま山荘事件、東大安田講堂事件、ひめゆりの塔事件など多くの困難な事件の対応や警備を指揮されました。初代内閣安全保障室長に就任の後、令和元年2月「昭和天皇の大喪の礼」の仕切りを最後に公職を離れ、以後は、危機管理の第一人者として、フリーランスで活躍されました。

 20歳代の頃、私にとって、佐々氏の著書『危機管理のノウハウ I~III』は、バイブルでした。後輩達、読んでくれてるかなぁ~

 危機管理に専門的に携わらない方でも、参考になることがたくさんあるので、一度読まれることをお勧めします。初版が出版されてから40年以上経っているので、時代に合ってない所もあるかもしれませんが、具体的には、平時と有事(危機発生時:以下同じ。)の違い、有事における対処の優先順位、有事に備えるための平時の活動など、普遍的な内容が大半を占めています。

「あさま山荘事件」とカップヌードル

 あさま山荘事件は、昭和47年2月19日から28日にかけて、長野県軽井沢町にあった「浅間山荘」に連合赤軍が人質(1人)をとって立てこもった事件です。あさま山荘事件が起きた時は、はまだ、小学校1年生でした。10日間の警察と連合赤軍との攻防は、本当にすごい事件でした。当時はまだ、「西部警察」もなければ、「太陽にほえろ」も始まってない時でしたので、警察の凄さ、大変さを子供ながらに感じました。
 この10日間は小学校から、帰るとすぐさまテレビを見ていました。本当に緊迫して、銃声がすると、カメラが慌てて退却するので、画面がガタガタ揺れたりして、子供ながらに、「現実なんだよなぁ~怖いなぁ~」と思ってました。当時の視聴率は、民法、NHK合わせて90%近くだったそうです。

(ウイッキペディアhttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%82%E3%81%95%E3%81%BE%E5%B1%B1%E8%8D%98%E4%BA%8B%E4%BB%B6)

 事件の概要や警察の対応は、映画「突入せよ!あさま山荘事件」を見てもらうと、わかりやすいです。危機に対する組織としての指揮、幕僚活動が上手く描かれています。特に、これから危機管理を扱う組織で頑張っていこうとする方には、現場での指揮だけでなく、後方支援、組織間連携、マスコミ対応など、学ぶべき見どころがたくさんあると思います。

  • カップヌードル

 この時の事件報道のテレビの中で、ちょっとだけですが、警察官がカップヌードルを食べているのを、見たんです。

 警察官が寒い雪の中、カップから立ち上る湯気をフーフーしながら、小さなプラスチックホークで、麺をかき上げ食べていた様子が印象的でした。何とも現場の緊迫感とは、ミスマッチなんですが、極寒の環境で、温かい物が食べられるって、本当に素晴らしいことです。素晴らし、技術開発です。

 余談ですが、ちょうど事件の半年ほど前に売り出されたカップーヌードルは、この報道(事件)をきっかけに、以後、爆発的に売れたそうです。

まず確保すべき3要素【保温、水分・栄養補給、休養】

  災害発生時など、危険が身近に迫る状況では、まず、次の3つを確保してください。これは震災などの大規模災害だけでなく、山で道に迷った時などでも同じです。

  • 保温

 危機に遭遇する季節や環境にもよりますが、体温が低下すると低体温症を起こすことがあります。

 低体温症を起こすと、心臓や脳などを始め、多くの臓器が正常に機能しなくなり、意識喪失や不整脈を起こし、命にかかわることもあります。特に、災害時、遭難時は、環境的要因で低体温症を引き起こさないよう、水分や外気で体温を奪われない着意が必要です。

  • 水分と栄養補給

 低体温症とは逆の環境などで発生の恐れがある、熱中症や脱水症にも注意が必要です。体内の塩分、水分が不足することで生じ、重度の場合意識が喪失することもあります。一般に大人であれば、1日2.5㍑の水分補給が必要と言われています。危機に陥った場合、特に単独で遭難した場合などは、水分が確保できない場合があるかもしれません。災害時に「72時間の壁」と言われるのは、人間が水を飲まずに過ごせる限界が72時間ということも要因の1つです。1日以上救助が得られないような状況なら、自分で水分を確保することも頭の片隅においてください。

 栄養については、極度に痩せすぎていない限り、3日程度は体内の脂肪をエネルギーに変えることができるでしょうが、自分の不足する栄養や塩分の不足が、機能不全につながることを覚えておいてください。また、山や海での遭難は、いつ栄養補給ができるかわからないことも考慮し、このような場所へ出かける時は、最低限の食料を持つ習慣を身に着けてください。

  • 休養

 危機に遭遇してしまった場合は、まず、身の安全を確保し、無駄に動き回らずに体力を温存するように心がけてください。非常時こそ、救われる側の人は、休養を取り体力を温存してください。

実践

 私は、いつ自然災害が起きても仕方ないとの思いから、鞄の中には、このようなものを入れています。

 右上から、降圧剤ほか最小限の薬剤、歯間ブラシ、尿漏れ防止パッド、羊羹、レスキューシート、マスクです。通勤時に災害に有ったら避難所が機能し始めるまで、生き残るための最低限の自助努力グッズだと思っています。

 また、自宅には、非常食、カセットコンロ、水をもらうための容器(ボトル)などを、持ち出しやすいよう玄関の棚に準備しています。

まとめ

 今回は、危機管理について、

「馴染んでもらうための本などの紹介」と「山で遭難した場合などに必要な最低限の知識」を簡単に述べました。

 次回は、少し詳しく、助けられる側、助ける側に分けて、書いていきたいと思います。

コメント

  1. 元同僚O氏 より:

    危機管理とカップラーメンでピンときました
    佐々氏の「平時の指揮官 有事の指揮官」を何度も読みました
    後輩たちにも貸して読んでもらいました
    最近 返却されません
    今では釣り場でカップラーメンです

  2. 釣り下手おやじ より:

    元同僚O氏さん へ

    コメントありがとうございます。

    遅い時間にコメントをいただいていますが、
    そちらは、まだまだ寒さが厳しいでしょうから、
    体調を崩されないようにしてください。

    週末の釣果を、楽しみにしています。

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